マクドと「ほんやら洞」と「学生街の喫茶店」

1972年7月1日、四条寺町にある藤井大丸にマクドナルドの関西1号店がオープンしたそうだ。祇園祭の吉符入の日にしたのは、偶然なのだろうか。
それから長い年月が過ぎて、京都のマクドナルドも50歳になった。
今は閉店してしまったけれど、四条烏丸にあったマクドナルドには、朝マックを食しに立ち寄っていた。そこで目にしていたのが、小さなテーブルにホットコーヒーのカップを置き、ガバッと大きく広げた日本経済新聞を凝視する白髪スーツのナイスシニア。50年前には無かった景色だろうと思いながら、目の前のオイリーなハッシュポテトにかじりついていた。
1972年といえば、マクドナルドよりも数カ月早い春の日、同志社女子大学の西隣に「ほんやら洞」が開店した。「金のある者は金を!力のある者は力を!智恵のある者は智恵を!」のベ平連方式で、楽しみ、学びながら始めたそうだ。当時、若者の対抗文化の象徴となった喫茶店だ。
2015年1月16日(金)午前4時48分頃、原因不明の出火による火災に見舞われ閉店。店内にあった記憶や記録、若き日の落書きは焼失し、伝説だけが残った。
マクドナルドと「ほんやら洞」、50年前に相反する二つの象徴的な店が京都に出現した。これは、偶然なのだろうか。
1972年6月20日、フォークグループGAROの楽曲「学生街の喫茶店」が発売された。長髪にジーンズの若者3人が歌い、ヒット曲になった。
学生でにぎやかな この店の
片隅で聴いていた ボブ・ディラン
あの時の歌は聴こえない
人の姿も変わったよ
時は流れた
マクドナルドと「ほんやら洞」と「学生街の喫茶店」
半世紀という時が流れ、人の姿も街の姿も大きく変わったような気がする。あの時の歌や声も聴こえなくなったから。
みんなどこかに、行ってしまったよ。
(春風)
◆記事に対するコメントはメールでお願いします。
info@slocalnews-kyoto.jp