通り抜け出来ます
京都の花街・先斗町といえば、細い通りに敷かれた石畳を思い浮かべる。それが、無電柱化と水道工事でしばらくはアスファルトになっていた。
無電柱化は2016年7月末に着工し、2021年10月末までに全長490メートルの通りにあった全17本の電柱を撤去した。総事業費は約13億円だったそうだ。
石畳の復旧工事も終わり、慣れ親しだ花街の風情が戻った。
一つ変わったのは、地面で羽ばたく千鳥。路地と接続する石の隅っこに埋め込まれたマークは、「通り抜け出来ます」を示している。
日中は薄暗く、深い眠りに落ちたままの細い路。
その先に見える光が、出口であればと、いつも思う。
「通り抜け出来ます」
そう教えてくれる千鳥を見つけなければ。
2022年10月3日RT(511)