京都・五条の菊浜エリアを活性化

一般財団法人山内財団とYamauchi-No.10 Family Officeが、京都市下京区五条周辺の「菊浜エリア」の再生・活性化を目的として、今後30年間を目途とする長期プロジェクトを推進していくというニュースです。

プロジェクトの概要

山内財団およびYN10が、取得している菊浜エリアの複数の土地・建物を基に、地域の文化発展のための社会貢献活動を進めるようです。菊浜エリアに点在するかつての遊郭や暴力団事務所があった土地なども含めて活用し、菊浜エリアが新たな歴史を刻むために地域貢献・支援活動を行うそうです。

(1) 菊浜エリアの特色
京都市五条周辺は、古くは源氏物語に登場する光源氏のモデルとされる源融(みなもとのとおる)の屋敷跡地があるほか、源義経と武蔵坊弁慶が出会ったとされる五条大橋があるなど、歴史的にも有名な名所が存在します。他方、京都市五条の「菊浜エリア」は、近世以降においては、同エリアのほぼ中央を流れる高瀬川周辺が水運で賑わい、問屋街や職人街もあった一方で、いわゆる花街・色街としてお茶屋や遊郭なども置かれ、現在でもその面影を残している地域です。

(2) 取り組みの意義・方針
山内財団およびYN10は、今後30年の長期的視点を持ち、長い期間をかけながら、菊浜エリアを単に観光地化・商業地化するのではなく、新たな創作活動やビジネスが生まれる仕組みづくりなど、これまでの地域住民と未来の地域住民の皆さまにとってより魅力的な町として活性化させるため、地域に根差す町の関連人口が増えるような以下の活動・取組みを検討しています。
● 京都発のイノベーションを起こす拠点としてのエコシステム創出
(グローバルなクリエイター、アーティスト、研究者、起業家などの活動拠点の整備)
● 地域住民、イノベーション人材など様々な方々の憩いの場となる飲食・交流施設の整備
※今後の計画の具体化段階で、自治体・地域住民等との協議により計画に変更が生じる場合があります。

(3) 今後の「菊浜エリア活性化プロジェクト」の取り組み
2025年~2030年を目標に、クリエイター、アーティスト、研究者や起業家など分野を横断した人材が交流し意見交換を行うための施設など、順次プロジェクトを進めていく予定です。

山内家について

1889年、初代の山内房治郎が花札・かるたの製造や販売をする会社として「山内房次郎商店」を創業。1947年には任天堂の前身である「丸福株式会社」を設立。3代目社長山内溥が保有した株を、山内克仁、山内万丈を含む4人が相続。現在は、山内克仁が代表を務める山内財団、株式会社山内、山内万丈によるYamauchi-No.10 Family Officeの3社を総称して山内家とする。

一般財団法人山内財団は、京都や日本の文化振興や社会課題の解決に取り組む組織を目指し、Yamauchi-No.10 Family Officeは、任天堂創業家の資産を背景に、幅広く社会貢献活動を行う組織になることを目標とする。

2022年5月21日RT(445)
編集部 春風

編集部 春風

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