小池貴之写真展「浜さ」
東京でも好評を得た小池貴之写真展「浜さ」が京都で開催されるというニュースです。写真古典印画技法の鶏卵紙プリントの新作を含む28点を展示。
■展覧会について
galleryMainで、2022年12月1日(木)より12月11日(日)まで、企画展 小池貴之写真展「浜さ」が開催されます。作者・小池の故郷の記録を、手作りの鶏卵紙に留めた新作を含む写真作品28点を展示します。
小池貴之は、津軽海峡に面する故郷の浜を大判8×10カメラと中判カメラでフィルム撮影し、「鶏卵紙」と呼ばれる19後半〜20世紀前半まで用いられていた古典印画技法を用いて作品を制作しました。現地で汲んだ海水から精製した塩を鶏卵氏に使用し、その場の風景を写した単純な光画ではなく、記憶や浜そのものの要素を内包するモノとして写真を表現しています。
これまで小池は、ゼラチンシルバープリントや湿板写真、鶏卵紙等のさまざまな写真の技法で作品を制作、発表してきました。小池は、写真を実在する何らかの要素を像に留めた物体でありそれが記録となるという考えに基づき、作品に現地の痕跡を残すことを強く意識し制作しています。AIによるCGイメージや画一的なインクジェットプリント等、昨今のデジタル作品とは対照的な、オリジナルな手作業にこだわりを持ち、写真作品を作り続けています。
■鶏卵紙と本作の製造工程について
鶏卵紙とは19世紀半ば〜後半まで使われていた古典技法で、卵の白身と塩を混ぜた液を紙に塗布し、それを硝酸銀溶液に浸すことで感光性を持たせた印画紙です。
本作の鶏卵紙には、実家の前にある浜から汲んだ海水を熱して精製した塩を使用しています。
自家製の塩に卵白を混ぜ(余った卵黄はプリンにして食べます)熟成させ、紙に塗布し乾燥させます。その紙に、プリントをする1時間前に硝酸銀溶液を塗り感光性を持たせ、印画紙に仕上げます。
ネガ画像を密着させ、太陽光や紫外線にて露光すると像が浮かび上がります。露光後に水洗し、塩化金調色(画像の保護)を施し、定着液/水洗/乾燥/フラットニングのプロセスを経て、美しい光沢と滑らかな階調を持った唯一無二の鶏卵紙プリントが完成します。
■作家プロフィール
小池貴之 | Kino Koike
1980年北海道函館市生まれ。
立命館大学理工学研究科情報システム学専攻修了。
高校時代から独学で暗室写真プリントの作品制作を行う。
立命館大学に入学し、写真研究会に入会。在学中、京都学生写真連盟を提唱・設立し京都の大学写真サークル間の交流促進に尽力する。京都写真クラブに在籍し現在も京都でも発表を続けている。2005年からは拠点を東京に移し、写真作品の制作や展示を行っている。
▷個展
2003.11 モノクローム (Photo Gallery ississ 京都)
2005.03 現れた原風景 (Photo Gallery ississ 京都)
2019.02 街と体温 -香港- (Paper Pool 東京)
2020.09 Домой -シベリア鉄道- (Roonee 247 fine arts 東京)
2020.12 Давай -シベリア- (八文字屋 京都)
2020.12 Домой -シベリア鉄道- (galleryMain 京都)
2021.09 Домой -シベリア鉄道- (gallery0369 三重)
2022.02 浜さ (Paper Pool 東京)
2022.07 街と体温 -香港- (新宿ゴールデン街 こどじ 東京)
2022.10 浜さ (Roonee 247 fine arts 東京)
2022.12 浜さ (galleryMain 京都)
▷ 作者在廊日
12/1(木) 13:00-15:00, 17:00-19:00
12/3(土) 13:00-15:00, 17:00-19:00
12/4(日) 13:00-15:00, 17:00-19:00
12/10(土) 13:00-15:00, 17:00-19:00
12/11(日) 13:00-18:00
このほか、平日18時以降在廊する日もあります。
最新情報はSNSでお知らせいたします。
■ 概要
小池貴之 個展「浜さ」
会期|2022年12月1日(木)〜12月11日(日)
休館日|月曜日、火曜日
開館時間|13:00-19:00
会場|galleryMain
住所|〒600-8059 京都市下京区下鱗形町543-2F
入場料|無料
アクセス|京阪清水五条駅より徒歩6分、地下鉄烏丸線五条駅より徒歩9分、阪急河原町駅より徒歩14分
URL|https://gallerymain.com/exhibiton_kinokoike_2022/
主催|合同会社galleryMain