大徳寺本坊伽藍2023年春に特別公開!

大徳寺本坊伽藍の特別公開が、2023年4月27日(木)~6月4日(日)の期間(予定)に実施されるというニュースです。

後醍醐天皇から「本朝無双之禅苑」と評された禅宗の名刹、大徳寺は大燈国師によって1326年に創建されました。 一休宗純や沢庵宗彭などの名僧を輩出したほか、千利休や狩野永徳など後世の日本文化に多大な影響を及ぼした人物たちが活躍した場でもあり、数多くの貴重な文化財を今に伝えます。

本公開では通常非公開である、聚楽第の遺構と伝わる国宝の唐門のほか、狩野探幽が『雲龍図』を描いた法堂(重要文化財)、金毛閣(重文)を間近で拝観するなど非公開区域の伽藍の数々を、解説付きで案内。特に今回は、一般の立入りを初めて解禁する仏殿内部(重文)の拝観や、金毛閣をくぐり間近で歴史的建造物を拝観する機会を用意されているようです。

【実施概要】
公開期間:2023年4月27日(木)~6月4日(日)予定 10時~16時(受付終了)
休止日:なし※法務の都合で休止となる場合有り
拝観内容:
【重要文化財】金毛閣(外観のみ)
【重要文化財】仏殿 *2023年初
【重要文化財】法堂 並びに 狩野探幽筆 法堂天井画『雲龍図』
【国宝】唐門
拝観料:大人2,000円 中高生1,000円 小学校500円(保護者同伴)
公開形式:時間毎に人数を限定して入場、ツアー形式でご案内

特別公開区域
【重要文化財】三門「金毛閣」
三門とは空門、無相門、無作門の三解脱門のことを指します。大徳寺の三門は応仁の乱で焼け落ちた後、大永6年(1526)に一休和尚参徒の連歌師 宗長の寄進により、初層部分が完成されました。その60年後、千利休によって二層部分が完成し、金毛閣と名づけられました。楼上は広い一室で、釈迦如来像と、二大弟子像、さらには千利休が寄進した十六羅漢像が安置されています。天井や柱には長谷川等伯による雲竜図や迦陵頻伽(かりょうびんが)、仁王像などが一面に描かれていています。この楼上に草鞋を履いた利休像を安置したことで秀吉の怒りを買い、利休の切腹の一因になったのはあまりにも有名です。今回は、三門下をくぐり間近で拝観する機会を用意しているそうです。

【重要文化財】三門「金毛閣」

【重要文化財】三門「金毛閣」【重要文化財】仏殿
大徳寺一世 徹翁和尚により建てられましたが、応仁の乱までに二度焼失し、文明11年(1479)に一休和尚の参徒、尾和宗臨により再建されました。さらに寛文5年(1665)那波常有が再建し、現在に至ります。御本尊の釈迦如来像は四代将軍徳川家綱公が寄進したもので、高さは五尺三寸(約160センチ)あります。建築様式は典型的な禅宗様で、天井に描かれた飛天(天女)は狩野元信筆と伝わります。今回、仏殿内部への一般立入を初めて解禁し拝観いただくことができます。

【重要文化財】法堂内狩野探幽筆『雲龍図』
法堂(はっとう)は、禅宗寺院において長老が修行者に法を説くための建物で、教えを継ぐことを重要視する禅宗にとっては非常に神聖な場所です。ここによく描かれるのが龍。龍は仏法を守護し、法の雨(仏法の教え)を降らせると共に、水を司ることから「火災から寺院を守る」ものでもあります。大徳寺法堂の『雲龍図』は狩野探幽が35歳のときに描きました。方丈障壁画を描いた後年の作風とは異なり、力強い筆遣いで描かれ、見るものを圧倒します。真下で手を叩くと龍が鳴いたように響くことから「鳴き龍」とも称されます。

【重要文化財】法堂内狩野探幽筆『雲龍図』

【重要文化財】法堂内狩野探幽筆『雲龍図』【国宝】唐門
大徳寺の唐門は別名「日暮門」といわれ、国宝に指定されています。桃山建築の代表作で聚落第の遺構と言い伝えられ、桃山の三唐門(本願寺、豊国神社)の一つに数えられています。彫刻を観賞しているだけで一日暮れてしまう、という所から「日暮門」と名付けられた様です。平成11年から14年までの3年間をかけて修復を施し、再び美しく当時の輝きを取り戻しました。麒麟や孔雀、牡丹、波など、様々な動植物や天然物の彫刻が約40種類、色鮮やかに施されています。このような彫刻に出てくるものは当時の障壁画などにもみられるもので、絵画の立体的表現ともいえるものです。

【国宝】唐門

2023年4月16日RT(152)
編集部 春風

編集部 春風

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