醍醐寺で目に見えない命に心を寄せる
令和5年8月5日に醍醐寺で万灯会が行われるというニュースです。午後6時からは金堂で精霊供養法要が行われ、午後7時からは、金堂前の特設精霊棚で施餓鬼供養法要が行われます。
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醍醐寺伽藍には地元の子どもたちをはじめとする人たちが一生懸命願いを込めて制作した置灯籠が数百丁並べられ、奉納された提灯や献灯ローソクには日没とともに灯りが燈されていき、幽玄な雰囲気に包まれていきます。
午後6時からは国宝・金堂で精霊供養法要が行われ、法要中は堂内へ自由に参座できます。薄暗くなり始める午後7時からは、金堂前の特設精霊棚で施餓鬼供養法要が行われます。
金堂、五重塔はライトアップされ、五重塔前広場には夜店が並びます(コロナ禍により4年ぶりになります)。かき氷、たこせん、キャラメルポップコーン、くじ引き、スーパーボールすくいなどが用意され、お子様も楽しめるようになっています。
金堂前の受付では、献灯や施餓鬼供養の申し込みも受け付けており、申込者は金堂前の梵鐘で供養の鐘を突き、素麺のご接待(数に限りがあります)も受けられます。
「醍醐寺万灯会」の歴史について
古い記録には、上醍醐では、いつの時代からか醍醐寺開創(874年)の聖宝・理源大師の命日である8月6日の開山忌の前日に「夜参り」が行われていたことが記され、それは大正時代まで続いていたようです。 今から35年前・昭和62年の『神変』(醍醐寺の機関紙)には、「光のページェント 醍醐山万灯供養会 70年ぶりに再興」のタイトルで次のような記述がみられます。 全山に法灯ゆらぐ「醍醐山万灯供養会」が8月5日夜、70年ぶりに再興され、約3000人の参詣者があった・・・下伽藍では五重塔、金堂、祖師堂などが初めてライトアップされ、上醍醐までの2.5キロの参道には650個の提灯や灯篭が並び全山が幽玄なムードに包まれた。 午後8時からは上醍醐・如意輪堂で大般若転読法要、午後9時からは五大堂前で柴燈護摩供などが行われていたことが記されています。 写真には、暗い中を多くの人が杖を持って上醍醐へ登山する様子が写されています。 当時は上醍醐での供養が中心でありましたが、危険防止のため、平成19年から上醍醐夜参りは行われていません。
このように、時代に合わせて形を変えて続けられてきた万灯会ですが、醍醐寺からは、全ての“目に見えない命”、“生きとし生ける命”に対し、感謝の祈りを捧げましょう、と一貫して呼びかけています。
それは時代が変わっても、人が人を想う心、故人を大切に想う心は変わらないからであり、命の大切さ、自分が今・現在を生きていることの素晴らしさを感じて欲しいからでもあります。
また、醍醐寺座主はこう言っています。
「いのち」には、目に見える命と目に見えない命があります。 目に見える命は、今、自分が生きている命、自分自身が感じることができる命です。 目に見えない命は、亡き父母の命であり、亡きおじいさんおばあさんの命であり、ご先祖様やずっと命の相続をしてくださった方々の命であります。 自分が使える時間をきちっと一日一日、一刻一刻積み重ねてくださった尊い命であり、目に見えない命に呼びかけることにより自分の心の佇まいを正すことができます。
この機会に、目に見えない命に呼びかけ、いのちの繋がりに想いを馳せて頂き、自分の心の佇まいを見直してみませんか。
●開催日時:8月5日(土) 午後6時から午後8時30分ころまで
伽藍(万灯会会場)入場無料
駐車場は有料
●施餓鬼塔婆供養:ご供養料 1体1,000円
経木塔婆に戒名を書き、全ての精霊に百味を施し供養した後、ご先祖様や故人のご供養をいたします
●献灯ローソク:1灯500円
※本年の提灯奉納申込は終了いたしました。
https://www.daigoji.or.jp/event/detail4.html