琵琶湖固有の冬の味覚・湖魚
【冬の風物詩 「氷魚」、高級料亭で珍重される「ホンモロコ」や鮒ずしの素材となる「ニゴロブナ」も旬を迎える/京都ろーかるニュース/滋賀】
琵琶湖の冬の味覚として永く愛されている「氷魚(ヒウオ)」や「ホンモロコ」など、琵琶湖ならでは湖魚の漁が最盛期を迎えています。
<ヒウオ(氷魚)>
ヒウオはアユの子どもで、まだ鱗が生え揃わず、まるで氷のように透き通ってみえるため、氷魚と呼ばれます。滋賀県では、海に下らず琵琶湖という限られた水域に多くのアユが生息していることから、古くからこのヒウオの時期にもアユが漁獲されてきました。日本全国でアユは獲れますが、アユを『ヒウオ』として味わえるのは、琵琶湖ならではです。
ヒウオは、体長4cmほどですが、食べるとほんのり爽やかなアユの香りと、心地よい苦みがあります。たっぷりのお湯でさっと湯がいた釜揚げは、ヒウオ料理の定番で、つるつるとした食感はまさに滋賀の冬の味覚です。また、しょう油と砂糖で炊いた佃煮や、ハーブを効かせたオリーブオイルでアヒージョにすると、お酒やワインに合う一品に仕上がります。
<ホンモロコ>
ホンモロコは、琵琶湖にしかいない体長10センチ程のコイ科の魚です。鯉の仲間というと、淡水魚独特のクセのある味をイメージすることが多いですが、ホンモロコは、臭みは一切なく、その味わいは湖魚の中で一、二を争うおいしさで、古くから京都の高級料亭でも珍重されています。琵琶湖の沖合で生活し、春の産卵期になると群れで湖岸にやってきます。春になると釣り人が湖岸に並んでホンモロコを待つようすは、琵琶湖の風物詩です。
四季を通じで獲れるホンモロコですが一番人気は、やはり産卵前の子持ちで、12月から3月が漁の最盛期です。また、意外とおすすめなのが、秋のホンモロコ。子持ちのものと比べて、ややウロコや骨が固めですが、とにかく脂が乗っていて、食べ応え満点です。旬のホンモロコは素焼きで食べるのがおすすめで、網に頭から刺して炭火で焼くと、身からじわっと出てくる脂で頭がカリッと香ばしく焼きあがります。
<ニゴロブナ>
ニゴロブナは、鮒ずしの材料として知られる琵琶湖固有のフナで、冬から春にかけて、琵琶湖の沖合で、沖びき網(底引き網の一種)や刺し網で漁獲されます。
実は、ニゴロブナは、鮒ずしだけではなく、地元では刺身で食べられます。「じょき」と呼ばれ、鮒ずしとしては価値の低いオスのニゴロブナが使われることが多いです。フナというと、淡水魚独特の臭みを想像してしまいますが、琵琶湖の沖合で生活しているため、臭みがなく、凝縮されたうまみが味わえます。