京都中心部の鴨川にシカという記事を読んで

■ここ数日で気になった京都のニュース

「京都中心部の鴨川にシカ 鴨川の水ごくごく、市民、奈良公園みたい』(京都新聞記事より)

■ニュースを読んで調べたこと

【奈良公園のシカ】
一般財団法人奈良の鹿愛護会のホームページによると、2020年の生息数は1,286頭(オス鹿224頭、メス鹿808頭、子鹿254頭)だそうだ。2010年が1,096頭なので、この10年で約200頭増えたことになる。

【京都府のシカ】
京都府の資料によると2015年の生息数は81,000~91,000頭と推測されるようだ。森林生態に影響を及ぼさない適性生息数は10,000~17,000頭だそうで、驚くことに70,000頭以上も多く生息していることになる。

■そして思ったこと

 京都新聞の記事には、こんなことも書いてある。「シカは、人を恐れる様子もなく、草を食べたり、鴨川の水を飲んだりしていた。通りがかった人たちは、『奈良公園みたい』とスマホで撮影するなどしていた」―市街地に突然現れた1頭のシカは、おそらく奈良公園のシカや動物園で暮らす生き物たちと同じで、愛すべき存在として見られたのだろう。

 一方で過去の京都新聞の記事にはこんなことが書いてある。「深泥池を毎年調査している研究者も『今年の被害は例年以上』と指摘。東側の宝が池でもシカの食害が見られ、周辺の住宅地での目撃情報も増えていることから、洛北一帯が『奈良公園化』している。対策が必要だと訴えている」―市街地を離れた洛北一帯でのシカは、害獣として認識されている。ちなみに京都府内のシカによる農林業被害金額は2015年度で約1億5,000万円だ。

 さて、この二つの記事で興味深いのは、「シカ」と「奈良公園」に対する印象だ。鴨川の記事ではシカと奈良公園がポジティブに用いられているが、深泥池の記事ではシカと奈良公園がネガティブに用いられている。記事全体のストーリーによって登場する対象物の印象と役割が変化している。つまり、「シカ」と「奈良公園」は捉える側面によって、ポジティブになりネガティブにもなるということだ。

【メディアリテラシー】
メディアの伝える情報を理解する能力。また、メディアからの情報を見きわめる能力。

 日々、何気なく行っているインターネットでの情報検索。検索履歴一覧を確認すると、興味があり好ましく受け入れることができる情報ばかりを収集していた。「自己満足ばかりだと、なんだか危ないな」と感じる事実だった。

―春風―

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2021年6月12日RT(163)
編集部 春風

編集部 春風

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