其中日記(九) 昭和十一年 七月二十二日 曇、晴、混沌として。 広島の酔を乗せて、朝の五時前に小郡へ着いた。恥知らずめ! 不良老人め!お土産の酒三升は重かつたが、酒だから苦にはならなかつた、よろ/\して帰庵した。八ヶ月ぶりだつた、草だらけ、埃だらけ、黴だらけだつた、その中にころげこんで、睡りつゞけた。 2021年7月22日RT(96)