本音の人生を生きる
女優・大竹しのぶさんが6月11日、京都・上賀茂神社で行われる「葉加瀬太郎 音楽祭2022」に出る。あるテレビ番組で、「私とっても無鉄砲なんです」「思ったらすぐに行動するの」と語っていたのを思い出した◆しのぶさんにとって、新藤兼人監督との出会いも大きかった。いつも、「コツコツやってとるか」笑いながら、そして念を押すように、「どんな仕事でもだな、コツコツやっていれば技術が身につき度量もつく」。そうしたら、「大きな仕事もこなせる。お金も入る。そのお金でまた自己研鑽を積むんだな」◆NHKの連続テレビ小説「水色の時」で国民的ヒロインに。本格的な舞台は、ギリシャ神話から題材を得た「フェードル」。夫がいながら義理の息子を愛し、周囲を巻き込んで自身も破滅の道を歩む役をこなした。舞台には何の装置もなく、肉体と声、感情があるだけ。「愛や嫉妬、罪意識、慄きなど悲劇の女性が持っている感情が全て出てくるの」と、自身を忘れて役に没頭した◆今、若者に問う。「SNSなどうわべの繋がりに慣れて、本音とか本心を吐き出した付き合いを避けているのではないのかなぁ」。「生きるか死ぬかくらいの気持ちで人を愛せないなんてとても寂しいこと。失恋しても人生よ」。人生一回きり。恋多きしのぶさん。その人生も舞台も体当たり、波乱万丈だ◆戦争で、飢えで、病で、コロナで病んでいる人々にしのぶさんが歌う「愛の賛歌」を贈ろう。エディット・ピアフの魂と重なったように歌う。聴いて欲しい。「たとえ空がおちて 大地が崩れても 怖くはないよ あなたがいれば あなたの熱い手が 私に触れるときに 愛の喜びに~」
(西村敏雄)
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