長い人生は、自分で作りあげるもの

 「会社経営を引退した後、幼少から好きだった絵画に打ち込む98歳男性の油絵展が、京都府向日市寺戸町の京都信用金庫桂川支店で開かれている」(京都新聞)というニュースを目にしました。

 「人生100年時代」―近頃よく耳にするフレーズです。「本人が希望すれば70歳まで働けるようにしよう」―これは政府が企業に要望していることです。

 1860年9月7日、ニューヨーク州東部の貧しい農家に生まれたアンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼスは、12歳から奉公に出て、27歳で結婚し、10人の子供が生まれ、人生の大半を農家の主婦として過ごしていました。70代になりリウマチが悪化しで得意の刺繍絵ができなくなると、刺繍針の代わりに絵筆を手にして油絵を描き始めたそうです。

 初めて個展を開催したのは80歳のとき、場所はニューヨークでした。この個展をきっかけに一躍有名画家になったモーゼスは、その人生がドキュメント映画になり、89歳のときに、当時の大統領ハリー・S・トルーマンによってホワイトハウスに招待されました。

 「グランマ・モーゼス」という愛称でアメリカの国民的なスターになったモーゼスは、周囲の変化に影響されることなく、これまでの生き方を頑なに変えません。農家の主婦としての暮らしを大切にしながら好きな絵を描き続け、101歳の人生を全うするまでに約1600点の作品を残したそうです。

「人生は自分で作りあげるもの。これまでも、これからも」

グランマ・モーゼスの言葉です。

(春風)

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2022年6月20日RT(127)
編集部 春風

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