活動寫眞の街にただ1つ残る映画館


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京都新聞に西陣にある映画館の千本日活が復活というニュースがありました。昨年の9月4日に襲来した台風21号の強風でトタン屋根が吹き飛び、天井の壁に穴が開き、雨水で座席がぬれたそうです。それで翌日から休業、4月10日にようやく修復工事を終えて開館できるよになったみたいです。

ニュースの中には、その他にも興味深いことがいくつか書いてありました。

その一つが、千本日活が五番町遊郭の組合事務所跡地に建てられたということです。この辺りにかつて遊郭があって水上勉の小説「五番町夕霧楼」の舞台だったことは知っていましたが、千本日活の場所に組合の事務所があったことは初めて知りました。現在でも五番町という地名は残っていて、町の片隅に遊郭だった名残を見つけることができます。

もう一つは、千本通周辺には昭和30年代の最盛期に8館の映画館があったということです。昭和30年代といえばまだ千本通を市電が走り賑やかだった頃ですね。実は学生時代に千本通にあったお店でアルバイトをしていたので、お客さんからその頃の話をよく聞いていました。その情景は、浅田次郎の小説「活動寫眞の女」に書かれています。西陣の職工たちは、たまの休みに観る映画をとても楽しみにしていたようです。千本日活は、ただ1つ残る映画館だそうです。

「loveは千本♪ 足取り軽く♪ 新しい街♪ 恋の街♪ love♪ love♪ love♪ love♪ 千本love♪」

アルバイトをしていた頃、商店街のスピーカーからよく流れていた往年の名曲です。

2019年4月13日RT(423)
編集部 春風

編集部 春風

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