三条通に石が見守る町がある
【local news/京都・河原町/まちの歴史/辨慶石町】
三条通と麩屋町通の交差点を寺町通方面へ、歩いてすぐの北側に建つビルに今回の主役がいます。
1階にはオーセンティックな雰囲気を漂わせるベーカリー&カフェが。看板にLONDONの文字があるので、はるばる海を越えて京都の三条通にやって来たみたいです。
2階へと続く外階段の手前に存在感のある石が静かに鎮座しています。横に立つ石柱には「辨慶石」と刻まれています。この辺りの町名「辨慶石町」の由来となった石で、あの歴史上の人物・辨慶が三条京極に住んでいた幼少期に好きだったと伝わる石です。
さて、ここからは昔話を。奥州髙館で辨慶が壮絶な死を迎えた後、この石は、辨慶最期の地に移されたそうです。それからしばらくたった室町時代のある日、石が突然「三条京極に往かん」と唸りました。すると髙館で何故か熱病が大流行、人々は弁慶の祟りだと恐れて、1454(享徳3)年に石を三条京極に戻しました。これが「辨慶石町」誕生のお話です。
「辨慶石」が現在の地に移されたのは、1929(昭和4)年です。
【関連情報】
(場所)京都市中京区弁慶石町
2018年10月24日RT(269)