音読、朗読、群読を
「かっぱかっぱらった かっぱらっぱかっぱらった とってちった」。谷川俊太郎の「かっぱ」の詩。京都・伏見にある酒蔵・「黄桜記念館(河童資料館)」のほのぼのとした河童家族のデザインを思い出した◆ついでもう一つ。草野心平の「河童と蛙」の書き出しを。「るんるん るるんぶ るるんぶ るるん つんつん つるんぶ つるんぶ つるん~~」。美しく流れるような響きを持っている◆これを大きな声を出して読んでみましょうか。音読から。シンプルに声を出して、正しく、はっきり、すらすら読むことです。今度は朗読を。そこに登場する人や動物の感情や自然の風景等を思いだしながら読むのです。アクセントや抑揚、声の高低などを考えて◆最後は群読を。複数の生徒が分担して読む方法です。子供たち同士が大きな声で、ドラマ的に、目に見えるように聴き手に伝えるため、少し練習が必要になります。生まれ故郷の北海道・旭川の小学校の時、保護者参観に向けて練習したのを思い出します◆当時の担任の先生は、保護者に「協調性が養われ表現力や自信もつき、自分の意見をはっきり言えるようになります」と説明していた。が、赤面症の私は卒業まで下を向いたままでしたが・・◆~ふるふる ふるふる ゆきが ふる~京都市立二の丸北小学校の2017年3月のホームページ(写真)にも、「朝会の後,群読集会を行いました。今月の詩は、『ゆきがふる』(まど みちお)でした。季節を感じました。雪が降った日にあらためて『ゆきがふる』を実感する子もいそうです」とある。確かに群読の意味は大きい◆群読から12年後、赤面症の私が記者になり多くの人にインタビューし、依頼された講演もこなしました。ただ、同じ文章を毎日繰り返し、「正しく、はっきり~読む」音読を実践していても、自然と意味も理解でき話せるようになるものです◆それより、コロナ禍で一人部屋にいる時は、音読でも朗読でもいい、「るんるん るるんぶ るるんぶ るるん つんつん つるんぶ つるんぶ つるん~~」。思い切り大声で。そう、いたずら好きな河童を思い浮かべてもう一度、もっと大きな声で・・
(西村 敏雄)
◆記事に対するコメントはメールでお願いします。
info@slocalnews-kyoto.jp