優しさに触れたおはなし

社会人になり3ヶ月。
宣言解除に伴い満員電車はこれまでよりぎゅーぎゅーです。
ある日、私は8月から職種の異動を告げられました。

それは私のしたかった仕事でもなく、少し苦手意識を感じていた業務をする役割でした。入社前のワクワクしていた私には想像もしていない業務でした。
先輩にもなかなかヘビーだねと言われるような役割です。
告げられた後の私は放心状態で、コピーエラーを何度もするケアレスミスDAY。

休日をはさんでもなかなか解消されないモヤモヤ。二日酔いが1週間ほど続くような感覚でした。私に務まるのか?と疑問に思って、不安になって。ある日の仕事帰り、たくさんの感情が涙としてポロポロと溢れてきました。もう社会人なんだからって私は言い聞かせました。

そんな時にふと思い浮かんだ学生時代の友人に電話をしました。私はその子の声を聞くだけで涙が溢れるほど救われました。地元の川辺で座って話を聞いてもらいました。
「なんて理不尽なんだー。やりたい仕事できるってゆうたじゃん。」
社会はそんな甘くないに決まってる。でもその時の私は受け止められませんでした。

長電話が続き、会話の内容は仕事のこと、結婚のこと、なんの話?ってなるような笑い話もしていました。
そんな時、川辺で釣りをしていたおっちゃんが私のもとに来ました。「これここ置いておくな。」って蚊取り線香を私のそばに置いてくれました。そして「何があったかはわからんけど頑張ってな」って言われました。この日、この数時間に、私は人の大きな優しさに触れた気がしました。

私はこの日を忘れたくないと思いました。
正直、まだまだ不安は募るばかりです。私にはやりたいことが明確にあります。いつか叶いますように。

8月からも「また頑張るか」と前を向けた気がします。
優しさに触れるとはこういう日のことなのかと確信を持った日です。
皆さんの優しさにふれた出来事はありますか。

林 志乃

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2021年7月20日RT(183)
編集部 春風

編集部 春風

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