世界にたった一つの人生を!

Q:就活を控えてよく父母から「女の子らしく~」。ゼミの教員からは「女子大生なのだから~」と言われています。小さな時から「女の子だから~」と言われ続けてきました。「自由にさせて」と怒りたくなりますが…(京都市内の女子大の3回生・M子さん)

A:「ひなげしの花」で歌手デビューしたエッセイストでもあるアグネス・チャンさんは、子育て教育の講演会などでこう言っています。「男の子だから運動ができる~女の子だからピンク色の~」「親は日常生活の中で無意識のうちに子どもに性差を持たせようとしてしまいがち」「私は子育てに性差をつけることは良くないと思っています。なぜなら、そのことが女性・男性それぞれの生きにくさにつながっていると考えるからです」と。日本社会にはまだ「女性は男性を立てる」「男は外で稼ぎ、女は家事育児を」という男女の性区別「ジェンダー」の概念・性別役割分担の意識が残っていることは否めないとも言っています。
 そもそも、「○らしく」という言葉の概念が実に抽象的ですね。僕も子どもの時には、「男の子らしく」「めそめそしないで」と両親に言われ、大人になり新聞記者になったら「記者らしく~」。そして縁あって得度したら「お坊さんらしく~」。大学の教員になったら「教員らしく~」。孫ができたら、「お爺ちゃんらしく~」と、「○○らしく」の“集中砲火”の中で生きています(笑い)。だから、あなたの気持ち充分に理解できます。無言の圧力(同調圧力)ですよね。それはそれで聞き流して、今は「性差に関係なく、あるがままの自分の人生を歩むんだ」という勇気を持ち決断したらと思います。いつか、「ここは女の子らしくしないと」とご自身が納得した時にはそうすれば良いことなのでは。「世界にたった一つの人生」を歩んでください。

(西村 敏雄)

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2021年2月21日RT(246)
編集部 春風

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