夏の風物詩「茅の輪くぐり」の記事を読んで

■ここ数日で気になった京都のニュース

「京都夏の風物詩『茅の輪くぐり』設置前倒し相次ぐ コロナ禍、疫病退散願う参拝者に配慮」(京都新聞記事より)

■ニュースを読んで調べたこと

【茅の輪くぐり】
茅の輪は、茅(ちがや)を編み束ねたものでつくる大きな輪です。神社によって大きさが異なり、北野天満宮は直径約5メートル、伏見稲荷大社は直径約2.5メートルだそうです。つくった茅の輪は、神社の結界内に置かれます。この輪をくぐることで心身を清めて災厄を祓い、無病息災を祈願するようです。

【スサノオノミコトと蘇民将来】
茅の輪を調べるとスサノオノミコトと蘇民将来の伝説が出てきます。諸説ありますが、大筋がほぼ同じなので簡略に紹介します。
旅をしていたスサノオノミコトは、日が暮れてきたので、その日に泊まる宿を探しました。お金持ちが暮らす立派な家があったので泊まろうとすると、ケチな主が断りました。困ったスサノオノミコトは粗末な家を見つけました。蘇民将来という名の主は、快く家に招き入れ、貧しいながらも精一杯の歓待をしてくれました。数年後、スサノオノミコトは礼をするために蘇民将来の家を訪ねました。娘と妻が出迎えてくれたので、「私は神だ。この後、厄災や疫病を避けたいときには、蘇民将来の子孫であると言って茅の輪を腰につけなさい」と伝えました。

■そして思ったこと

茅の輪は、新型コロナウイルを除け守ってくれるワクチンのようですね。日本でもようやく接種が始まりました。ところで世界中のワクチン接種はどうなっているのか?気になったので調べてみると、先進国が多くのワクチンを確保しているのが現状です。そのため途上国を中心に67の国では、今年中に接種を受けることができるのは10人に1人にとどまる見通しだそうです。神話の世界では貧しい人に与えられた御守、それが現代では、お金持ちが当たり前のように独占しています。スサノオノミコトが知ったら、どんな言葉をもらすのでしょうか?

スサノオノミコトの言葉は聞けませんが、WHOのテドロス事務局長がこんなことを言っています。「世界は、壊滅的な倫理上の失敗を犯す寸前だ。代償となるのは貧しい国の人々の命や暮らしだ」

そうそう、京都新聞の記事には、こんなことも書いてありました。
「茅の輪の茅を引き抜いて持ち帰る参拝者が相次いでいる。感染防止のためにも、茅の輪には触れないようにしてもらいたい」
書き忘れていましたが、伝説によると、スサノオノミコトが訪れた村では、疫病が流行し、茅の輪を腰に付けた蘇民将来の子孫だけ生き残ったそうです。神様は、善行を施したものだけを救済するのですよ。せっかく茅の輪くぐりをしたのに、茅を引き抜いて持ち帰る悪行をすると、ご利益が消え去るかも…。

―春風―

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2021年6月11日RT(90)
編集部 春風

編集部 春風

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