戦争の悲惨さ、遺品が伝えるの記事を読んで

■ここ数日で気になった京都のニュース

「戦争の悲惨さ、遺品が伝える 京都・宮津、終戦の日に合わせ展示」(京都新聞より)

■ニュースを読んで調べたこと

 太平洋戦争によって亡くなった日本人は310万人、その内訳は軍人・軍属が230万人で民間人が80万人と推算されるようです。

 軍人・軍属の死亡理由は、6割以上の140万人が飢え死にか栄養失調が原因の病死、海没死も30万人を超えるそうです。戦って「名誉の死」を遂げたのではなく、戦争を長引かせたことで亡くなったのです。

■そして思ったこと

 幼い頃、母がお風呂のなかでよく、與謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」を聞かせてくれました。

君死にたまふことなかれ
(旅順の攻囲軍にある弟宗七を歎きて)

ああ、弟よ、君を泣く、
君死にたまふことなかれ。
末に生れし君なれば
親のなさけは勝りしも、
親は刄をにぎらせて
人を殺せと教へしや、
人を殺して死ねよとて
廿四までを育てしや。

堺の街のあきびとの
老舗を誇るあるじにて、
親の名を継ぐ君なれば、
君死にたまふことなかれ。
旅順の城はほろぶとも、
ほろびずとても、何事ぞ、
君は知らじな、あきびとの
家の習ひに無きことを。

君死にたまふことなかれ。
すめらみことは、戦ひに
おほみづからは出でまさね、
互に人の血を流し、
獣の道に死ねよとは、
死ぬるを人の誉れとは、
おほみこころの深ければ、
もとより如何で思されん。

ああ、弟よ、戦ひに
君死にたまふことなかれ。
過ぎにし秋を父君に
おくれたまへる母君は、
歎きのなかに、いたましく、
我子を召され、家を守り、
安しと聞ける大御代も
母の白髪は増さりゆく。

暖簾のかげに伏して泣く
あえかに若き新妻を
君忘るるや、思へるや。
十月も添はで別れたる
少女ごころを思ひみよ。
この世ひとりの君ならで
ああまた誰を頼むべき。
君死にたまふことなかれ。

―春風―

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2021年8月15日RT(98)
編集部 春風

編集部 春風

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