いずれは自分もお世話になります
京都市内に住む39歳。特別養護老人ホームに就職して今年の4月で20年目を迎えます。現在の役職は、サブリーダーケアワーカー。この数年間は新型コロナで施設は神経がぴりぴり。ある施設に「ヘルパー」で派遣されていた女性職員が、その施設でクラスターが発生したため休みに。1月に中途採用の新人も見習い中で、人のやりくりが大変。介護・介助にあたる我々介護士らの仕事の実態を少しでも広く知って頂きたいと「介護日記」を書きます。先ずは介護とはどのような仕事をしているのかを時系列に書きました。(今後は、入居者のトラブル、家族との関係などを取り上げます)
【ある日の勤務実態】
15時15分:出勤。今日は準夜勤。15時15分~0時00分までが勤務。日勤の職員からの引き継ぎ。夕食時に服薬する下剤の確認や後日に医師の診察時に報告する認知症入所者の日中、夜間の睡眠状態、覚醒状態について報告書に記載。夕食前までに、寝ている方を起こし車いすで水分補給を。居室の換気、加湿器の水の入れ替えを行う。(腰が痛い)
16時45分:他フロアの日中の入所者の申し送りをお互いに交換、看護師からの夜間帯の注意事項の伝達を聞く。(特に要注意者を頭に叩き込む)
17時:夕食の食事25人の入所者のうち、胃ろう栄養2人を除く入所者には、早い時間と遅い時間の2回に分けて食事の対応。更に自力での食事摂取が困難な方5人の食事を3人で行い、夕食薬を配り自力での食事摂取の方を見守る。(投薬ミスがないように気配り)。
19時:30分の休憩をはさんで見回り巡回に。体調不良の方には検温、血圧脈拍、酸素飽和濃度の測定。ある部屋に入ると、不眠、夜間に覚醒している方が、服を脱ぎベッドの柵を外して、起き上がろうとしているのを発見する。(転がり落ちて骨折でもしたら大変)。
19時30分:日勤職員が勤務を終えて帰宅。
20時~21時:全介助の方のオムツ交換排泄介助を行う。(女性の方は嫌がるので苦労)
22時:検温、血圧測定を行い、5名の方のオムツ交換を行い、トイレに自力行ける5人を連れて行く。介護では自立支援も役目だ。深夜勤務の職員に申し送り、引き継ぎを行う。
0時:勤務を終え帰宅。「あのおばちゃんは大丈夫かな」。後ろ髪を引かれる思いで車に。
◆
祖母が亡くなったのは、自宅でした。核家族も進み、自宅介護の難しい時代になり、「自分ができる道では」とこの職に就きました。仕事は、大学で学んだマニュアル通りにはいかないことも多いです。また、介護と被介護者、そのご家族との関係など施設内での問題点を私なりの見つけ出し、自治体や国の担当者らにも今後の福祉政策にも生かして欲しいと願っております。(続)
(山口 蓮)
特別養護老人ホーム概要
京都府下の特養は、敷地面積約1万平方㍍、建物約4千平方㍍。入所定員が50人で、介護士33人、看護師15人、他職員6人が勤務し、日勤・准夜勤・夜勤の24時間3シフト制。
◆記事に対するコメントはメールでお願いします。
info@slocalnews-kyoto.jp