黄葉する京洛最古の建造物【千本釈迦堂】

今出川通から七本松通を北へと歩むと「千本釈迦堂 大報恩寺」に行き着きます。

【大報恩寺について】
鎌倉初期安貞元年(1227)に義空上人によって開創。本堂は創建時そのままで、応仁・文明の乱にも両陣営から手厚い保護を受けて、奇跡的にも災火をまぬがれた京洛最古の建造物として国宝に指定されています。現在は、真言宗智山派の寺院で、山号を「瑞応山(ずいおうざん)」と言い、千本釈迦堂(せんぼんしゃかどう)とも呼ばれます。名前の由来は、本堂の行快作本尊(ほんぞん)釈迦(しゃか)如来(にょらい)坐像(ざぞう)と近くに南北に走る千本通があること。(オフィシャルホームページを参照)

石畳の参道を進み門をくぐると人気のない境内がありました。黄に色づいた葉が秋風に吹かれ揺れています。地面には敷き詰められた落葉が、ところどころ陽に照らされて最期の輝きを放っていました。

正面には長い時間をかけて古びた本堂が、ただただじっとしていて、「大根だき」と大きく書かれた白く真新しい看板が、頼もしい柱に寄りかかりながら居心地悪そうにぽつんと立っています。

この秋一番の小春日和。本当の春に薄紅色の花を咲かせる枝垂れの「阿亀桜(おかめさくら)」は、冬支度に忙しそうです。葉を脱ぎ捨てしばしの眠りに落ちてゆきます。

【大根だきについて】
「成道会」は、お釈迦様が修行中に悪魔の誘惑に負けず、12月8 日の夜明け前に明星出現と同時に「さとり」を開かれた事にあやかって、それから後、法要の度に、4本の大根を縦半分に切って8本とし、切り口に釈迦の種子(梵字)を書いて供え、参詣者への「悪魔除け」とされました。その後「悪魔除けの大根」は、他の大根と一緒に炊き上げて、参詣者に振る舞われたのが「大根だき」のはじめと言われています。今に伝わる「大根だき」には、「諸悪病」を取り除き、健康増進を願う信徒の皆さんによって継続され、12月7・8 日の両日には法要を行い、味付けして煮込んだ大根をご来場の皆さんと共に頂いています。(オフィシャルホームページを参照)

千本釈迦堂 大報恩寺(せんぼんしゃかどう だいほうおんじ)
〒602-8319 京都市上京区七本松通今出川上ル
TEL:075-461-5973/FAX:075-461-5974
<拝観時間>
9:00~17:00
※ひと通り拝観される場合、所要時間の目安は約60分です。
http://daihoonji.com/

2022年11月14日RT(32)
編集部 春風

編集部 春風

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