バターサンドクッキー
バターサンドクッキーが
白く塗られた木のワゴンにのっかってた
アルバイト先の社内販売
淡いブルーの包装紙に小さな赤枠ラベルのシール
“500円引き!”
「今日が賞味期限です。自分へのご褒美に!」
ご褒美かあ…
バターサンドクッキーよりも
その言葉に心が立ち止まって
「洗い物を手伝ってくれた、ごほうびよ」
「おしいいお茶を淹れてくれた、ごほうびよ」
「肩をたたいてくれた、ごほうびよ」
「あら、100点!めったにないから…」
子どものころは、ご褒美をたくさんもらえたのに
自分が買った自分へのご褒美は
500円引きが後押ししてくれたから
高カロリーだし、二つと決めてたのに
もう一つは…
大人になってからのご褒美は
いつの頃からか、お砂糖の甘さだけになった
「ごほうびよ」
もう一度聞きたいな
―春風ー
2021年3月24日RT(177)