新鮮な空気を吸いたい!

 お年寄りは、「介護や福祉が切り捨てに」。そしてご両親らは、「会社は人員整理」「レジのパート勤務も減らされている」。そして学生ら若者は、「私は来年就職するけど、行きたいと思っていた会社は人員削減などで募集中止」。決して“嘆き”の言葉を拾い集めたものではありません◆私も第1次オイルショック(昭和48~49年)など世界的な経済危機で「就職難」という洗礼を受けました。今はもっと深刻な気がしています。親が汗水垂らして働いて貯めたお金で、文化系の大学でも年間の授業料等「120~140万円」を負担。地方からの学生はそれに家賃や生活費など含めると「200万円を超えます」(この金額は大卒の入社3年位の収入と同じです)◆日本は戦後、世界でも有数な裕福な国になりました。でもうわべの豊かさの“底”を見ると、「6人に1人の子供が1日1食(給食などで)しか食べていない『子供貧困』が」(厚労省発表)。夢にまで見た企業に入っても、僅か1年後には過労死、非正規労働と◆私は「社会が悪い」という抽象的な言葉はあまり好きではありません。なぜなら、「実態が見えるようで、実は見えない」からです。

 もやいコラムを書いてきて、内容が、「障がい者」「母と子の関係」「弱い立場の人」「マイノリティー」などに関して書いてきましたが、その記事の下地には、率直に言って最近の政治不信が念頭にあります◆「政治には期待しないし興味もありません」という若者の言葉もよく耳にします。若者に接する機会が多く、その言葉の裏返しに、そうした現実の政治の“空気”を彼らなりの感性でしっかりと読み取っているのではと思うのです。ですから、このコラムを書きながら、読者の方々の心の奥から「共に笑顔で明るい未来を築きたい」「被災者・弱者に寄り添いたい」という“熱い気持ち”が伝わって来るのを実感しています◆結婚後に子供が産まれ、更に孫が産まれ、そして自分の老後を見据えて考える時にきているんだなぁと思います。そのためには「めんどくさい」「嫌だなぁ」と思っても、「政治家が、私たちのために、親の様に汗水垂らして働いてくれているのか?」。それを見極めるための時期にきています◆今年は衆議院選挙があります。18歳から投票できる選挙権もありますね。国政ばかりでなく地方選挙でも「棄権」する人が多いです。でも歎く前に「投票」してみませんか。「どうせ私の一票なんか・・」ではありません。「たかが私一人の一票でも・・」なのです。このもやいで繋がり、「棄権票3割」が息を吹き返したら、必ず日本という“部屋”に新鮮な空気が入ります。コロナ禍で縮こまっていた身体で、今度は思いっきりこの新鮮な空気を吸いたい、と思いませんか。大切な一票ですからね。
                         
(西村 敏雄)

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2021年4月20日RT(249)
編集部 春風

編集部 春風

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