【川】待つこと

 ふと考えてみると、私は人を待つことが多い。待ち合わせの時間よりも早く到着することが多くある。相手が遅刻してくると、約束の時間より早く来ていた30分間と遅刻した時間を合わせて、1時間くらいはよく待つ。でもそれが嫌ではない。

 学生の頃、友達だと思ってた人がそうでなくなったことがあった。つまりどういうことかというと、待ち合わせをする人がいなくなったということ。家から出る必要がなくなったということ。これは本当に寂しかった。友達と遊べることは当たり前でないということを私はその時初めて知った。

 社会に出てから少しずつ友達が出来た。だからかなぁ。とても嬉しくて早く集合場所に行って待ってしまう。私に会いに来てくれることが嬉しくて嬉しくてたまらない。自分のことより友達と楽しい時間を満喫したいと思う。
 
 遅刻して怒る人はたくさんいるけれど、怒ることが出来るのは幸せなこと。それが実はとても大切にしなくてはいけないもの。だから今日も私は楽しく人を待つ。待てる人がいるという幸せを感じながら。

(酒井 瑞希)

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2021年4月21日RT(100)
編集部 春風

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