海と空と七色の虹を見て願うこと

初秋の夕暮れ
京都の東の空に、大きな虹が現れました

半円弧の姿から
「天弓」や「レインボウ(雨の弓)」とも

また、空に架かる七色の橋

小川未明の『にじの歌』

こちらの森から
あちらの丘へ
にじが橋をかけた。

だれが、その橋
渡たる。

からすが三羽に
乞食が一人。

乞食はつえついて上がったが
からすは、あわてておっこちた。

落ちたからすはどこへいった。
夕焼けの空へ。

上がった乞食はどこへいった。
お星さまの世界へ。

にじが消きえた。
にじが消きえた。
下の町には火が点ついた。

大昔、虹は生き物でした
雨が大好きな 雨の子どもたち

高浜虚子がこんな句を

虹を見て思ひ思ひに美しき

人の世も斯く美しと虹の立つ

夏の夕暮れ
海岸線を疾走する白色の電車の窓から
虹を見ていました
青い海と灰色の空の間に浮かぶ 
七色の虹を

行けども 行けども
そこにある 虹の橋

永遠に在れと願いながら
見つめていました

―春風―
 

2021年10月18日RT(136)
編集部 春風

編集部 春風

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