[ I Love You ]の訳は?

 「アイ・ラブ・ユー(I love  You)を『愛する』と訳して日常的になったのはそんな昔からではない」。こう教えてくれたのは北海道・旭川の高校生時代の英語の教師です。石田先生。白髪の奇麗な品の良い先生でした◆では昔はなんと訳していたのだろうか?石田先生によると、夏目漱石は「死んでもいいわ」と。なるほど漱石の方が何か胸にぐっときますね。でも、「入試で『死んでもいいわ』と訳したらパスしないだろうな」と笑っていました◆そういえば小学生の頃に流行った歌謡曲に「骨まで愛して」というのもありました。銭湯で大きな声で唄う年配の方。「生きている限りはどこまでも~骨まで愛して~」。湯船の壁隔てた女湯まで響きわたり、「もう一曲」「素敵」と。優雅な時代でした。

 さてと、このコラムを書く材料を探していたら、「震災」というファイルから、あの世界中を震撼させた東日本大震災の記事が出てきました◆大津波で倒れた陸前高田市の「高田松原」の松で作った薪を、鎮魂の祈りを含めて「京都五山送り火」で燃やす計画が中止になった(2011年8月16日)。「放射能が空中に舞い上がり汚染されてはという声に配慮した」(京都市)という◆松という文字を分解すると「ぼく(木)ときみ(公)」の抱き合わせだ。人が寄り添う姿を、支えあう姿でもあるのですね◆その薪には犠牲者の方々の名前が刻まれ、復興への希望を託した言葉が書き込まれていました。当時、北陸の温泉地で、やっと到着した被災者らに玄関口で放射線量を測る機器をあて、シャワーを念入りに浴びさせたというニュースもありました◆風評被害です。愛するという言葉には、寄り添いや支えあう意味もある。世の中からそんな気持ちが少なくなっているとしたら寂しい。「死んでもいいわ」とまでいかなくとも・・

(西村敏雄)

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2021年12月16日RT(287)
編集部 春風

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